自動車関連の整備機器製造開発・販売・エンジンオイル・パーツ用品販売 株式会社オベロン


国産だからこそできるフラッシング・サービスを追及

Q."スラッジナイザーNV20"の誕生の経緯を教えてください。


松本:
弊社はエンジンオイルなど自動車用メンテナンス用品の業界でキャリアを重ね、1999年(平成11年)に起こした若い会社です。

創業前からフラッシング・ビジネスに力を入れてきまして、NV20は2009年に大幅に改良を行って登場した、弊社4代目となるエンジン内部洗浄マシーンです。
遡ること1998年、1代目のスラッジナイザーはエンジン長寿命化への切り札として発売しました。当時、バブルもはじけた後で、新車の買い替えサイクルが少しずつ伸びる傾向を見せていました。一台の車を大事にしながら長く乗り続けるお客さまが増えているということは、メンテナンスの需要もより高まると考えました。

かつては、車のメンテナンスのなかでもエンジン内部洗浄サービスは、一部の車好きのための付加価値商品でした。もともと欧米で生まれたものなので、洗浄マシーンも海外製がほとんど。そのため日本車のパーツやアタッチメントが合わないことも多々あり、マシーンの故障などの対応も難しい状況でした。

当時、私どもで国産のマシーンを作れば、国産を中心としたさまざまな車に合わせたアタッチメントを作ることができますし、アフターサービスもきめ細やかにできるので、絶対に役立つ商品になると考えました。 スラッジナイザーは、我が社の強みを活かした商品として誕生したのです。

その後、時代の流れとともに、現場の声や市場性を見極めながら改良を重ねて、NV20が誕生したのです。


Q.NV20の強みと弱みを教えてください。

松本:
スラッジナイザーは、短時間でエンジン内部を効率よく洗浄することができます。洗浄剤をポンプとエアーで送り込み、フィルターでろ過して回収し、循環させるシステムです。
フラッシング・オイルと比べ、収益額が非常に高く、操作性もシンプルで、施工効果も高いものです。エンジン停止による施工を行うため、洗浄力を上げて徹底的に洗え、かつエンジンに対して優しく安全性が高いものとなっています。

弱みは、エンジン停止による施工でも洗えない部分があるということ(これは別途販売している洗浄剤によりクリアされています)。
また、価格についてもまだまだ満足できるものではありません。

我が社のモットーは、“スピード&アクション”。お客様の声を、できるだけ素早く反映することを常に心がけています。アクションを起こせば、チャンスにつながる。 風通しのよい社風ですので、上司にも相談がしやすい。現場の意見をどんどん出し合って商品を展開してきました。

4代目の、NV20が誕生したのも、市場の変化とお客様のニーズを反映させるため。エコカーなど自動車業界も近年大きな変化が起こっています。燃料やエンジンだけでなく、設計デザインをはじめ、アダプター、ジョイントパーツといったアタッチメントの形状もサイズもどんどん変わっていきます。

私たちは常に情報収集のアンテナを立て、変化に敏感に対応した部品を作っていかなければなりません。NV20ができて、「はい、これで終わり」にはならない。手間も労力もかかることではありますが、だからこそ愛着も生まれます。企業として商品に最後まで責任を持つことの大切さも再確認できます。


Q.NV20の最大の改良点を教えてください。

松本:
初代は、かなり高額でした。専門的な機械ですので、200万円に近くなります。けれど、お客様にからすると設備投資にここまで費用をかけるのはリスクが高い。興味を持っていただけることも多いのですが、どうしても二の足を踏んでしまいがちでした。

最大の使命は、まさに、コストダウン。
代を重ねるごとに少しずつ価格を落としていき、3代目ではなんとか100万円を切ることができました。

でも、それでも安いとは言えません。
当然のことながら、性能を落とすわけにはいきません。従来以上の性能を持ち合わせながらも、導入しやすい価格設定にするために何をどうしたらいいのか。
NV20の開発にあたって、今までにない新しい発想が必要でした。

コストダウンと最小限サイズを実現。「お客様の喜ぶ声」が、さらなる励みに

Q.具体的に"NV20"はどこを改良しましたか?また、その理由も教えてください。

松本:
コストダウンを前提にしながら、コンパクトであることも考えました。
整備点検場所には、様々な装置が置かれています。その邪魔になっては意味がなく、スマートな形状で、できるだけ移動しやすいことも大切だと考えました。

つまり、
・原料のコストを下げる。
・部品を改良し、パーツの点数を減らす。
・部品レイアウトの見直しによるメンテナンスの向上性を図る。
・重量を落とすことで輸送費も下げる。
・製造コストの軽減。
を実現していこう!ということになりました。

つまり、 オーバースペックを省き、できるだけシンプルな操作を目指しました。

これに、今までの3代のマシーンの市場での経験値も活かします。
社内でのミーティングはもとより、実際に部品を作ってもらう工場へ何度も足を運んでは相談し、意見交換を重ねました。

そして、試作をしては、社内で検証を繰り返しました。
あらゆる場面を想定して、さまざまな設定数値を検討しました。
さらに、数店舗に依頼し、1~2ヶ月の市場モニタリングも行いました。その評価をフィードバックして、作り直し、細かい点まで入念にチェック。

その結果、手作業で一つひとつ調整して作っている職人の技を集約し、オリジナルの部品を開発。たとえば、板金屋さんや加工メーカーさんのご協力で、プレートの厚みを最適化し、折り曲げ工数を最低限にするなど、アイデアをいただいたりしました。
こうして一つずつ、無駄なく効率よく製造する流れを作り上げていきました。
洗浄方法にも波動式を新たに取り入れました。これにより流速が上がり、汚れがより落ちやすくなりました。
アタッチメントも、標準セットでは国内メーカーの90%をカバーする内容に絞り込み、特殊な車種はオプションとするなど、初期コストの見直しも実施しました。
このように満を持して発売に至りました。

開発から発売まで約1年を費やしました。
時間はかかりましたが、結果、60万円を切る価格までなんとか持っていくことができました。初代と比べ、およそ3分の1にまでコストダウンを実現したのです。

性能と操作性も格段にアップ。安全性とアフターサービスについても対策をきっちりたてこともアピールしたいですね。


Q."NV20"の機能(安全性)とアフターサービスはどのようなものですか?

松本:
まず、二重のセーフティーモードを設けました。外部ホースの部分とポンプの制御部分に安全弁を取り付けています。どの数値でストップをかけるかという設定のさじ加減が難しいところですが、マシーンの保護もしつつ、お客様のエンジンを守ることを重視しました。

また、売りっぱなしではダメ。
NV20に先駆けて、テクニカルサポートセンターを立ち上げました。
ここでもやっぱり、“スピード&アクション”です。
今までは、営業に連絡が入ってきて、それから時間を調整して、折り返し……というようにタイムラグが起こりがちでした。
けれど、取り急ぎの相談や操作について分からないことが出てきたら、速やかに解決できなければ、せっかく導入しても効果が半減です。ちょっとしたアドバイスで、こちらがうかがわずとも現場ですぐに解決できることもあるわけですから。

実際に現場で作業される方の経験もさまざまです。私ども開発サイドでは気が付かないような、分かりにくさ、扱いにくさが存在する可能性は十分あります。
トラブルは宝物。
現場の声をしっかりすくい上げる体制を整えたかったのです。

サポートセンターでは一括して集約&管理を行い、内容の把握と適切な指示を行います。そして、営業との連携プレーを効率よく図ることが狙いです。
現場では、安心して作業に集中していただけることが、私たちの望みですから。
その結果、ここ一年のNV20の相談件数が増え、一方で、大きなトラブルにつながるケースはほとんどなく、早期対応する取り組みが、安心できる施工環境をつくりだせているのでないかと考えておりました。

また、サポートセンターはフリーコールにし、9時から21時まで365日対応しているのも重要なポイントです。
あえて、お客様の営業時間外でも対応できるような時間帯にしました。この点で、評価いただけることも多く、私どももとても励みになっています。

開発への情熱は消えない。目指すのはメンテナンスフリー

Q.満を持して誕生した"NV20"をどのように展開・提案していきましたか?

松本:
もともと弊社のカー用品、メンテナンス用品のお取引先様はありましたので、まずは、そこから声をかけ、紹介していきました。
そして、展示会などで積極的に出展しながら認知活動に努めると同時に、ディーラー様にも積極的に紹介していく、という展開を行ってきました。

NV20は、キレイ好きな日本人の気質にも合ったサービスができると確信しています。
従来は、車のボディは洗車しても、エンジンまでは気に掛けず、ディーラー任せというパターンが多かったことは確かです。けれど、新しくエンジン内部洗浄を提案することで、ユーザー様に気づきをもたらし、商機につなげることができます。

ユーザー様へのおすすめ方法も、こちらで提案しています。
車にあまり詳しくないユーザー様の場合、女性なら「風呂窯を洗浄する」イメージをお伝えするとか、ご年配の方へは「エンジンオイルは人間でいうところの血管で、血液中にあるコレステロールを除去する」などと説明するとか、POPやパネルなどもご用意しています。

できれば、新車からフラッシング・サービスを行っていただきたい。いったん汚れがつくと落とすのは容易ではありません。新車から行うことで、汚れがつきにくい環境がつくれますから。
その分、エンジンが長持ちします。
車検のタイミングだけでなく、「新車の性能を維持しませんか?」というようなお声掛けをしていただけるようおすすめしています。


Q.現場の声はどのように届いていますか?

松本:
営業伝えなのですが、オイルのキレイさを実感いただけると聞いています。
洗浄してレベルゲージで確認ができます。新油を入れて、エンジンをかけてチェックすると普段は多少濁るものですが、メカニックな方などに見せると驚くほどキレイなままだと言われるようです。

また、お客様のすすめるままにエンジン内部洗浄を行い、その後、運転のスムーズさに違いを実感されたユーザー様が、「何か作業したの?」と改めて問い合わせをくださったという話も入ってきました。

エンジン内部をキレイにすることで、オイルの循環ストレスが軽減されるのです。
たとえば、エンジン音が静かになる。振動が軽減した。燃費がよくなった、など効果がさまざまあります。
オイルの性能が100%発揮するわけなので、コンディション維持に非常に役立つのです。
とはいえ、正直なところ、なかなか体感できるほど劇的な変化があるわけではありません。よって、どのように分かりやすく提案していくかが、これからの課題でもあります。

Q.今後の展望について教えてください。

松本:
おかげさまでお取り扱い店舗様もどんどん広がっています。一から手掛けてきたものが、市場で受け入れられてきたことを実感しています。
これに甘んじることなく、お客様の役に立つ、収益性に貢献できるような提案型の営業をすすめていきたいと思います。
そして、その先におられるユーザー様のカーライフをより快適にするお手伝いをしていきたい。
開発サイドも、できるだけ現場に足を運び、常に状況を把握していくことが大切だと肝に銘じております。
現時点で最良のものを作った自負はありますが、開発に終わりはありません。
時代の流れにアンテナをたてながら、車業界の一員として業界の活性化に貢献していきたいですね。
そして、車を愛する、すべての人たちの幸せな人生に、わずかでもお役に立てる仕事を続けていきたいと思います。


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